嬉しかった

仕事を終え、今日はどこへ寄ろうかと思案している内にとうとう家の近所まで来てしまった。
自宅から職場まで約１０分弱。チャリ通なだけに何かが物足りない・・・

「う～ん・・・」
このまま家に帰ったら楽なんだろうが、なんだか味気なかったからユゥターンして取り敢えず超近所のスーパーへ入ってみることにした。

気の進まない買い物ではあったが何気に、安売り品＆酒類・・・と、『ポイントを絞れての良いチョイス（買い物）だった』と自ら絶賛した。

レジは大分混んでいた。
気長に待つ事数分。自分の番になると「お客様、大変お待たせいたしましたイラッシャイマセ。クーポンはお持ちでしょうか？」と、レジのオネイさんよりご丁寧な挨拶をされた。
「クーポン？？いや、いいです」
突然の（クーポン）話であった為、訳の分からないままオネイさんの案内を一応放棄してしまった。
が・・・
私の後ろに並んでいたマダム風なおばさまが”スっ”と黄い色をした何かの券を見せて「この子に・・・」と・・・
『この子？』えっ！？私っ？！

その黄色い魔法のチケットをよくよく見てみると”一部を除き商品全品５％ＯＦＦ”と書かれてあった。
そのおばさまはチケットを二枚持っていたらしく、その内の一枚を私に使いなさい。という事で・・・
レジのオネイさんは困惑顔をしていたが、おばさまが「これ（チケット）はこの子のモノなんだからいいでしょ？ねっ？！」と交渉してくれていた。
私が”アワアワ・モタモタ”している内にその交渉は成立。
おふく家の家計は多少救われた事となった。

ありがとうございます
すみません
いいんですか
ホント申し訳ないです

を十数回。おばさまに対し、私は繰り返していた。
ほんの５％であったが、私には５０％・・５００％・・・・に思えた。

身も知れない疲れきった年頃（？）な女（笑）に対し、チケットを・しかも交渉までしてくれるなんて。
何にせよ、その心が嬉しかった。凄く嬉しかった。

自分にも存在というものはあるんだな・・・
なんとなく、そう思った。